塾通いは必須ではない

　高校受験を意識すると、塾に入るべきだという意見が多く聞かれ、中学生の皆さんだけでなく、保護者の方も、子どもを塾に通わせるべきかと悩むことが多いと思います。

　そこで、気になるのは、学習塾に通わないと受験を戦えない、という考え方が根強いという現状です。実際、学習塾に通ったところで、成績が伸びる人もいれば、伸びない人もいます。学習塾の方針が合わない生徒にとっては、塾に通う前より成績が下がってしまったという人も多くいます。

　実際のところ、学習塾と相性がよい人もいれば合わない人もいます。さらに、学習塾を選ぶ場合でも、基本的な部分が理解できていない人がいきなり難関学校の進学対応の塾に通っても、塾の勉強についていけないという事になりかねません。

　スポーツなどで自分に合わないトレーニングばかりをしていても競技能力が向上しないのと同様で、学力についても、自分にあった方法で勉強していかなければ成績の向上は見込めません。

　学習塾のやり方に合う人は、学習塾での学習を頑張ればよいのですが、塾に通っていても成績が伸びない人が多い事も事実です。どうしても成績が伸びない場合、塾を他の塾に転塾するという方法もあります。また、しばらくは塾に通わずに自分の家で勉強のペースを取り戻すための勉強に注力するという選択が最終的に良い結果をうむ場合もあります。

　ここで、保護者の皆さんに一言言っておきたいことがあります。「塾に通わせているのになんで成績が伸びないの」と子どもに対して叱るひともいるという事ですが、子どもを一方的に叱る前に、子どもが通っている塾が子どもと相性が悪い塾なのではないのかということも一度考えた上で、子どもと話し合ってみることが大切です。

　また、中学生の皆さんは、自分の勉強スタイルが本当に自分にとって良い状態なのか、たとえば現在通学している学習塾の方針が自分に合わないということが成績不振の原因になっているのではないか、ということなどについて、一度、親御さんと十分に相談し、そのうえで、今の塾で勉強を頑張るか、別の方向から成績の向上をめざしていくのか、ということを対話していくことが大切だと思います。